Shovelog

Snow Lights Films

おじさんホイホイ

f:id:honday3:20210718164226j:plainGotenba / Nikon FM2

午前中少しだけの仕事を済ませ、割れてしまった自動車の後退灯を交換していると、駐車場を通りかかった同じマンションに住むブロンドの奥様が話しかけてきた。彼女は自転車のハンドルを抱え、車の後部でしゃがみこんでいるボクを見おろしながら、これは懐かしいモデルですね、メインテナンスは大変そうですねと、びっくりするような流暢な日本語で話しかけてきた。見上げると、ラフなTシャツにスパッツ一丁というあるあるガイコクジンの着こなしをしているブロンド女性である。彼女が英国人なのか米国人なのか英国英語と米国英語を聞き分けられるほど耳は肥えてないし、いや、そもそも日本語だし、この車について少し会話した後、お疲れ様ですと言って、はちきれんばかりのムチムチのヒップをサドルに載せて自転車で出かけていった。この車を懐かしいとという事はボクと同世代なのか、いやどう見ても30代かな、いや、ひょっとして大学生にも見えたり、欧米の人の年齢は全くわからない。わからないけど彼女の生い立ちが急に気になりだしたりして。そういえばこのクルマで前もガイコクの人に声をかけられた。笑顔で親指を立てて来る人もたくさん居た。なんだろうこの中途半端な年式が妙にガイジンホイホイだったりするのか、例えばローライフレックスを持ってるとスーパーおじさんホイホイだったように。そう、たいていそういう人は昔使ってたとか、オレはペンタ67だったとか自分の昔話をしたがったりする。ある程度は面白いから聞いてみるけどあまりに長いとツライ、ボクはそんなにカメラマニアじゃないのでといって誤魔化したりするけど、自動車はちょっと違うような気もして、なんとなく共通のノスタルジーを感じたりするのである。

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