そういえば2年ほど前だろうか、自宅斜め裏の公衆トイレで何やらロケをやっていた。かなり大掛かりだったのでドラマとは違うんだろうなとは思ったけれどやはりコレだった、ヴィム・ベンダースの「PERFECT DAYS」。上映はすっかり見逃していたけれど、昨日からU-NEXTで配信がスタートしたので早速観る。ベンダースにしては生々しい映像だけれどヨンサンの画角が安定感を出している。何より役所広司力とベンダースの日本愛。ほとんどボクの生活圏が舞台の見慣れた風景がベンダースにはこんなに美しく見えているのかと感慨深く観る。そう、主人公がいつも昼食を食べていた代々木八幡の森はこの季節は本当に気持ちいい。今日の弁当はそこで食べてみようか。
よく、写真家はそこに住んではいけないと言われるけれど、そこで生活をしているからこそ見える風景もあったりする。この差異もまた面白い。
色んな俳優さんが隠しキャラのよう出ているのも面白い。フィルムカメラを脇役に使うのもベンダースらしい。しかもオリンパスμである。いやしかしベンダースが我が家のすぐ裏で映画を撮っていたと思うとこれもまた実に感慨深く。丁寧に生きよう。