Shovelog

Snow Lights Films

解体と再生

 

 

 

ちょうど50年ぶりに同じ会場で同じ展示という近代美術館で展示された中平卓馬の展示を見る。中平さんと言えばプロヴォーク期のいわゆるエモイ・カッコイイ系の写真が人気だったりするけれど、ボクは1971年のパリ、ビエンナーレで撮り続けた写真が好きである。自意識を捨てようとの試みとそれ以前の中平さんが交錯しているやや不安定なバランスが好きだったりする。以前、中平さんの事を写真の神様だと渡部さんが言っていたけれど、中平さんが意識障害から復帰した後の、完全に自意識の消えたピュアな写真を見るといつもそれを思い出して、本当に写真の神様になってしまったのだと思いつつ、近年発表された中平さんの映像ドキュメント「カメラになった男」というタイトルもまさに言い得て妙だなあとつくづく。このピュアな写真こそ中平卓馬の深層意識であり、ボク自身も常にはここを探している。


自意識を解体すること、それをすすんで引き受けること、それが私の考えること、その自意識の解体と再生を自らすすんで引き受けること、それが写真家として止む事なく私が考え、引き受けつづけることである中平卓馬


にほんブログ村 にほんブログ村へ