どんどん消費する都会生活が嫌になって、生産する側へと、都会を離れ農業を営む若夫婦がテレビで紹介されていたが、古民家を改造した自宅は相当お金がかかっていて真新しいMacを使い、着ていた衣服はナチュラリスト系でやけにおしゃれだった。都心に住んでるちょっと疲れた夫婦より断然あか抜けて見える。おしゃれな農家が生産したみかんはさぞかし美味しそうに見えるのだろうが、果たして彼らは本当に消費生活が嫌になったのだろうか。
ウエアの企画製造管理を任された36歳は、スーツもネクタイも革靴も持っていない。服は最低限のもので間に合わせ、パンツと靴はヨレヨレのズタボロ、頭は坊主でヒゲは生やしっぱなし。ミニマリストとは違う、元来おしゃれには興味がない、というか衣食住には一切興味がない風にも見える。人嫌いで無愛想、ジョークのひとつも言えない。金がないのかすべてに興味がないのか、そういう類の人が消費者好みの商品を作れるのか。
大量消費社会にゲップを出しながらも、自らも製造を続ける負のサイクル
消費する側の心理に立たない製造者は、実は物欲と大量消費の渦から抜け出しているのかもしれない。