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1968年の新車価格





仕事で使う資料を探していたら古いカーグラフィック誌が出てきた。1968年8月号で、ミニクーパーMK2のロードテスト記事が載っていた。ふと巻末に掲載されていた新車価格表を見るとトヨタ2000GTが新車販売されていた時代だった。価格が238万円というのはボクも記憶がある。さてこの238万円は当時どれくらいの位置にあるのだろうか、思い立ったらすぐやってみる、仕事そっちのけで国内外の新車価格をざっとまとめてみた。

1968年8月の国内外新車価格(資料出典カーグラフィック誌)


当時の238万円というのは国産車では突出しておりビッグヒーレーと同価格だった。当時のヒーレーはすでに若干古めかしくなったとはいえ相当なブルジョア層しか買えなかったと思われるのでトヨタ2000GTがいかに高価格設定だったかというのが理解できる。そしてポルシェに至っては9111Tでも395万円、911Sになると500万円を超える。真のクルマ好きブルジョア層しか買えなかったというのがよくわかる。
我らがミジェットも国産車よりはるかに高価であった。クーパーSも同様でスタンダードクーパーと比べても随分高価格な設定である。
当時の我が家のクルマはグロリアスーパー6でクラウンとほぼ同価格。その気になればスタンダードクーパーが買えた価格だけれども、、、地方でガイシャに乗るなんていうのは気狂い者扱いだったようで、まあそこは愛知県らしいなと思ったりする。

さて、この価格が現代ではどのくらいだろうかというのも考えて見る。
1968年と2023年の消費者物価指数を比べてみると3.9倍となる。実際はもっと複雑な要素が絡んでくるとは思うけれど、単純に上記新車価格に3.9を乗算したものが現代の価格目安として比べてみる。例えばポルシェ911Tは1540万円。ミニクーパーSが573万円である。そう考えると現代のGRヤリスが498万円というのはそんなに高くないのかもしれない。とはいえ近年の日本の経済成長の伸びがまったくない中では随分高く感じてしまう。次の選挙は慎重に考えざるを得ない。


参考:ボクがここ十数年にわたって閲覧している資料サイト。見ているだけでも楽しい。

戦後昭和史




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