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Snow Lights Films

花柄家電

 

出張中に泊まった古い旅館の座卓には古びた花柄の魔法瓶が置いてあった。翌朝にはすっかりぬるくなってしまったお湯でお茶を入れながら、安村崇の「日常らしさ」で表現されている居心地の悪そうな花柄魔法瓶を思い浮かべてみた。

「日常らしさ」というふわっとしたタイトルに相反するような英題の「Domestic Scandals」という毒のあるタイトルの付け方も安村さんらしいセンス。

 

花柄家電全盛期に生まれたボクはやはり花柄に囲まれて育った。魔法瓶やジャーはもちろん鍋やグラスやカップ、食器棚まで花柄だったのを覚えている。このように物心付いた頃から台所は花柄だったので家電の花柄デザインに全く違和感を感じないけれど、よく考えてみれば不思議な組み合わせであるなあと今になってつくづく。奥様家電製品に花を添えてみるという発想が日本が豊になった証だったのだろうかと暫しノルタルジーに浸ってみる。

さすがに当時からの花柄グッズは我が家に残っていないけれど、ググってみるとタイガー魔法瓶が100周年記念モデルとして花柄シリーズを復刻するらしい。魔法瓶があれば欲しいなと思ったけれど、さすがにそれはなく、代わりに真空ポットになっている。花柄家電世代にはちょっと惹かれるラインナップである。


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