Shovelog

Snow Lights Films

Down by Law

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夕方、突然ボスの幼馴染から電話があった。
内容は、不要なものを整理していて、ライカM6が出てきたので買わないか、という話だった。ズミクロン50ミリが付いているという。何年も使ってなかったという状態を考えてもそこそこお買い得な価格提示にグラグラ揺れるけれども、ライカだからって飛びつくほど機材オタクでもないし、カメラは増やせないし第一ウチにはM2がすっかり出番をなくして寂しそうにしている。何にしても兎に角カネがないというのが諦める最大の理由だったりする。「おまえ暗室まだ持ってたよな?このライカ使えよ、やっぱ銀塩だよなー」と張り切って声をかけてくれたけれども、せっかくのところ申し訳ないと伝えて電話を切る。

遠い昔、40年前、原宿の走り屋といえば舘ひろし率いる黒い軍団クールスが有名だけど彼らと双璧をなした赤い軍団が居た。その彼らのモノクロ写真やネガが職場に何枚かある。カルマンギアにハーレーとZ750FX、501にブーツ、革ジャンにキャッツアイとタレサン、誰が撮ったのかわからないけど40年ほど前のモノクロの「写真」は当時の日本の鬱屈した空気と若い勢いとノスタルジアが溢れている。
そして、バイクをぐるりと囲んだ集合写真のそこには若かりし頃のボスとその幼馴染が居た。彼がM6を手に入れたのはきっともう少し後だろう。

このネガをこっそり借り出してプリントしてあるのはボスには内緒だ。

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