Shovelog

Snow Lights Films

マドレーヌと紅茶

 

 

 

何を隠そう、小学生の頃から剣道をやっていた。先祖が有名な剣豪だったからという理由でもなく、バスケや野球よりレギュラーに近いだろうという狡猾な思いがあった。その後、辞めたくても周囲に辞めさせてもらえず結局高校卒業までだらだらと続けていた。

週末、お盆を過ぎれば朝晩は少し涼しかろうと、のこのこと日比谷公園の盆踊りに出掛けた。いっときのクソ暑さよりは幾分マシだけれど、それでも蒸し暑かった。
会場ではスターウォーズコラボの盆踊り大会という謎のイベントになっていた。ダースベイダーがあのテーマ曲でなくて東京音頭をBGMに練り歩いてるのは実にシュールである。
会場ではダースベイダーほか帝国軍と反乱軍が大勢で会場を占拠していたのだけれど、彼らに近づくと決まってあの匂いが鼻に下りてくると同時に色んな記憶がフラッシュバックした。ヘルメットや剣道の面の中の"あの匂い"である。この暑さでのカブリモノとは気の毒だと同情しつつも、すっかり鼻についてしまった"あの匂い"はなかなか消えることがない。三日たった今日もふっと蘇る事もある。
同じような事例で、アパートの隣の部屋で✕✕していた✕体の匂いを何日間か嗅ぎ続けてしまったという友人も未だにふと鼻の中で蘇ることもあるという。
プルーストの「マドレーヌと紅茶の匂い」とは真逆であるが、嫌な匂いの記憶というのもまた強烈に脳に焼き付いている。

 

 

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