Shovelog

Snow Lights Films

448年前の初夏の頃

 

 

事件や事故があった場所には居られないという人が居る。そこで人が息絶えたという場所。そのような事があった宿などは絶対泊まれないという。霊感などではなく、それを想像してしまうからだという。しかしそれを知らなければ大丈夫だと言う謎の考え方。歴史を遡れば戦国の合戦地や東京大空襲とか関東大震災とか、日本中そんな場所だらけれだろうけれど、それを知らなければ大丈夫だと言う。奇妙な性分だなと思いつつも、なんとなく理解できないでもなかった。

大河ドラマが設楽原の決戦にさしかかった。今や地元では大盛りあがりであろうか。かくいうボクもこの合戦場の激戦地跡に一年と少し住んでいたことがある。場所は徳川の陣のすぐ脇に構え、振り返れば信長の本陣がすぐ見える場所である。後ろには森を背負っているけれど、その森を抜けると勝頼の本陣が見渡せる。日中は気にも留めていなかったけれど、夜中にそこに帰って来る時はいささか怖かったのを思い出した。遠い昔の事件、448年も前の事だけれども。しかしその頃はすでに私の先祖がそこに居たのである。

 

 

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