Shovelog

Snow Lights Films

Acting Out

f:id:honday3:20200823164609j:plainTri-X Summicron50/2 Hamadayama,Tokyo

8月23日。ロケハン。
70年代風の部屋撮りシーンのために小道具としてミニカーを並べる。すべて自前の旧型ミニカーだ。集めたつもりはないけど意外にたくさん持ってたことに気づく。なぜ男はミニカーや模型が好きなのか。それはノスタルジアだと金村さんは言う。小さいサイズだとノスタルジア感が出る。盆栽、ジオラマ、ミニカー、模型、などなど。それは自分で自由にレイアウトしたり作り込むことができる。これは世界を手に入れたい、世界はこうあるべきだという願望なのだ。金村さんは、世界と一体だった幼少期の全能感をもう一度呼び起こしたい、世界との再度の合一を望む欲望、だと言っている。たとえば、写真を撮りたいと思う気持ちは「今見ているこの世界を手に入れたい」という欲望でシャッターを押しているはずだ。写真は常にノスタルジアなのである。だからこそ安直なノスタルエモい被写体は撮るなと金村さんに教わった。エモーショナルを排除する。そして無意識を使って撮る。三島由紀夫は「芸術の作品というものは無意識の領域が大きい。」と言っていた。しかしシャッターを押す段階、セレクトの段階で必ずや意識は作用する。意識は学習で変えることができるが、無意識は幼い頃からの経験・積み重ねの領域なのでもはや取り返しがつかない。しかし取り返しがつかないからこそ、その人らしさが出るというのが写真の面白いところだよな。とか、色々考えながらミニカーを並べ直す。外は雨が降っている。やっぱり窓からの光量が足りない。

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