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Snow Lights Films

中古車選び

 

朝、事務所のエレベータが閉まる寸前に自転車と一緒に飛び乗った。先に居たのは60代の女性でボクと自転車を見るなり眉間にシワを寄せて「言いたかぁないけど、」と言った。参ったな朝から小言かよと思いきや「言いたかぁないけど、暑いわねえ。」だった。
これだけ暑さが続けば慣れそうなものだけれど、それでもやっぱり暑い。これだけ暑くてもメインの車にエアコンが付いていないのは東京でボクだけかもしれないと思ったりする。
18歳でミニを乗り出してから次にMG1100と、何年もエアコンの付いた車を持っていなかったのでさすがにヤバいという事で25歳の頃に生意気にもセカンドカーを持つことにした。ボクの人生で中古車を店頭買いをしたのは今のところこの1台だけである。
当時はインターネットは黎明期だったので中古車を選ぶのは中古車雑誌、買うのは店頭というのが当たり前だった。はじめて買ったのは40万円くらいのカローラIIのディーゼルだった。5Dハッチバックターセルとコルサの3兄弟車だった。当時社用車で時々使っていたターセルディーゼルが意外にコンフォータブルで良かったので同型のものを買った。なぜディーゼルかといえば当時は軽油ははるかに安かったし、現場でドラム缶買いでストックしてあった重機や発電機用の軽油をこっそり使わせていただくという現場監督ならではの大きな声では言えない裏技もあった。
カローラIIディーゼルはとにかく涼しくて快適だった。壊れそうな英国車だととても行けないような遠方まで出掛けられ行動範囲もぐんと広がり、カローラIIの車内で何度も夜を明かしたこともあった。たとえ8年落ちでも涼しくて絶対に壊れない日本車の頑丈さに感動したものである。
ニュースではズラリと並ぶ中古車の写真ばかり流れてくる。都心部だと道路沿いに中古車がずらりと並んでいるようなお店はほとんどないけれど久しぶりに店頭で中古車を眺めてみたいと思ったりする。巧みな営業トークに飲まれちゃうかもしれないけれど、この年齢になって目も肥えたし、絶対壊れない日本車の中古車で地雷を踏む確率も相当低いだろうし、車検はユーザー、軽整備は自分でやればどのお店で買っても同じだろうと思ったりする。

中古車を店頭で買ったのはこれ一回きりで、その後は先輩の経営する英国車屋に出入りするようになり、下取り車や代車を格安で譲ってもらうということを繰り返していた。
なぜ何度もアシクルマを取替えたかというと、当時付き合っていた彼女が変わる度にクルマを替えていたという十分説得力のある、生意気な理由だった。

 

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