若者が、といっても30代の男性がローライスタンダードをぶら下げていた。思わずスタンダードいいねえと声をかけてしまった。カメラに反応して声をかけるのはジジイになった証拠である。いや、その前に彼があまりにも長い時間露出計で露出を測っていたのが気になってフィルムは何を入れているの？と続けて問いかけたら、彼は少し考えてブローニーですと答えた。いやそんなのはわかっとるがな、そうでなくてカラーなのかポジなのかモノクロなのかコダックなのかフジなのか感度はいくつなのかと聞きたかった。彼は怪訝そうに困ったようにボクを見返して多くを語らなかった。自分のフィルムもわからんのかいと思いつつも、ふと我に返って自分だって撮影に集中している時に珍しいカメラですねえとジジイに声をかけられるのがとても面倒だったりするのを思い出して、嗚呼ジジイになってしまったなあと反省した。ボクも他者とカメラの話をするのが好きじゃなかった。写真の話ならいいけれどカメラの蘊蓄を語られると辟易してしまう。そういえば金村さんも昔同じような事を言っていたのを思い出した。
変わってここは同年代が多いので安心して声を掛けられるツキイチの会合。今日はホンダエスハチに座らせてもらった。ミジェットとポジションは似ているけれどエスのほうがわずかにアイポジションが高くて運転しやすそうである。自然に左手を置いた場所にシフトがあるのが良いしストロークが短くスコスコ決まるのはスポーツカーらしくて好印象。何よりとにかく回るエンジンが魅力的である。レッドソーンは8,500回転だ。
