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Snow Lights Films

金村修写真集『Lead-palsy Terminal』

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「error CS0246」 Vol.3 − 金村修個展「Lead-palsy Terminal」
珍しく展示に金村さんご本人が居た。久しぶりにお会いしたので話したいことがたくさんあったのだけれども、居るはずないと思っての突然のシーンではなかなか話がまとまらず出てこなかったり。それでも贅沢にも写真をゆっくり説明していただく。エディションはすべて5。買いたいけれども今はとてもそんな状況ではないので申し訳なく、それゆえコマーシャルギャラリーはどこか落ち着かなかったりする。
そんな人は写真集を買えば良い。
https://kakeru-okada.stores.jp/items/602fc7ca3186256a90a8c2e9
発行は「ペーパーカンパニー」だけどビビるな、安心して買ってよし。

目一杯情報を詰め込んだ都市の写真と正反対の廃墟のような人が居ない空港。コロナ禍の絶望感もあると思うけど、この空気の写し方はまさに金村さんならでは。猥雑な都市はもちろんのこと、端正な構図、近代的な都市空間にも狂気と殺気を焼き付ける。さらに今まで写真らしく見せるための額装を拒否してきた金村さんだけど、今回はマットと銀のフレームでの額装が怖いくらい合う。静かだけど荒々しいのだ。ここを目指しているけど凡人ではとても辿り着けない場所である。

非現実的な宇宙空間にも感じる表紙、その写真集の顔ともいえる表紙に残されたプリント時のゴミが一気に現実感を引き戻す。もちろん「敢えて」なものであろうニヤリと笑う金村さんが浮かぶ。

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