Shovelog

Snow Lights Films

芋の記憶


残念な肉じゃがになってしまった。圧力鍋で煮込んだ芋はどろどろに溶けてしまっていた。鍋の使い方がいけないのか、しかし稀に成功することがあるのでやはり芋の種類によるのか。じゃがいもについてそろそろ学習しないといけないと思った時に昔の仕事仲間である北海道厚沢部町のKさんの顔が浮かんだ。広大な土地のメークイーン農家であり、熱心なじゃがいも研究家だった。じゃがいもを眺めながら飯を喰うという変態な彼の姿を見てきたボクは、じゃがいもといえば彼の顔と北海道訛りの口調が浮かぶ。すぐにでも教えてもらいたいけれどもう20年以上会っていない。彼ならマツコの前でも雄弁に語ってくれることだろう。

 

とおくにやまがみえる

 

冬になると雪を纏った南アルプスが遠くに見えた。一層くっきり見える日の朝は放射冷却で冷え込んだ。春になると南アルプスは見えなくなった。あの頃は毎日遠くの山を見て過ごしていた。

 

ロー三尺


昔からよく言う英車乗りの合言葉。1速を使うのは発進から3尺だけという意。口一三尺ではない、ロー三尺である。クチイチではなく、Lowである。と、書いてみてブラウザの文字だと区別が付かないことがわかった。

 

Uncommon Places

 

コダックポートラが買える値段じゃなくなってフジを使っていたけれどそれも廃盤となってしまった。カラーはデジタルでいいかなと思いながらもスティーブンショアのUncommon Placesを見返してコダックな色にため息を吐く。多分、先週観た藤原新也のコダクロームの色の美しさにゾクっとしたのを引きずっている。

 

立春

 

 

ボクは「メメント・モリ」より「アメリカン・ルーレット」な世代。会期ギリギリで藤原新也展に飛び込む。当時インドへの撮影に行く前はカメラすら持っていなかったという話を知って、初めて訪れたインドでよくこれだけ撮れたものだと関心する。若さと勢いというやつだろうか、天才だからだろうか。60年代の若者は僕らの頃はもちろん今の若者よりもずっとエネルギーが溢れていたような気がする。Z世代のおじいちゃん世代。



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