Shovelog

Snow Lights Films

春の夜の夢

 

 

地元の大きな川沿いにあったマツダディーラーの入ったビルの屋上にはいつもマツダ車の看板広告が掲げてあった。小学生の頃、この看板が緑色のサバンナRX-7に変わった時にはなんてかっこいいんだろうと見惚れていた覚えがある。

首都高4号線沿いにある我が家のビンテージマンションの屋上にも大きな広告看板が設置してある。だいたい林檎マークの企業の広告が多い。そして窓から外を眺めると斜め向かいのビルの屋上にはお馴染みのインプラントの歯医者さんのピンクの看板が見える。首都高の看板はこのピンクの看板だらけであり、東名上りから首都高に入り、3号線に現れるかの先生の顔を見ると、ああ東京に帰ってきたなあと思うのである。広告費をテレビやネットでなくあえて大看板に集中させるという戦略は実に昭和的だけれどこれが意外に無意識に脳内記憶として残るのである。今や250箇所あるというこの看板、昨年のコミケでは「きぬた歯科看板完全攻略マップ」なるものも出ていたそうである。
どこかのインタビューでかの先生は言っていた。
高速道路から見える看板広告は、その時代に成り上がった者が載せては消え、載せては消えるんです。春の夜の夢のごとしですね。

 

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