Shovelog

Snow Lights Films

面倒臭い写真

 

現代写真が大嫌いだという写真家と一緒に飯を喰っていた。彼とは十数年の付き合いであり時々仕事を頼む仲である。彼の写真の撮り方は教科書のように論理的であり、直感的な写真を好むボクとは正反対である。写真の話になると彼は現代写真を否定し、何故そうなるのかをうまく説明できないボクを巧みに論破しようとする。どうやらボクの写真の撮り方が嫌いなようである。しかしそんな彼が面白い話をひとつ教えてくれた。彼はカメラと写真のマーケティングを研究していてメーカー系の講師も多くやっている。そこでM1層Z世代の若者の写真への入り口のきっかけを発見していた。スマホでいくらでも綺麗な写真が撮れる中、若者がなぜわざわざ高性能カメラやフィルムを使って写真を撮るのか、皆きっかけは共通で「面倒臭い事がやりたい。」という事らしい。なるほど、これはボクが昨年読んだ「映画を早送りで観る人たち」に解説される「オタクになりたい。」という若者心理に繋がった。彼らはオタク属性という「個性」が欲しいのである。
飯を30分で食い終わった後、延々と閉店までそんな話をしていた。

 

 

 

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