Shovelog

Snow Lights Films

Still Cruisin'

 

仕事を終えた23時、小雨の中を濡れながら駐車場まで歩いた。転がしてきたカメラキャリーをミジェットの小さなトランクに押し込みエンジンをかけた。春とはいえ夜はまだ冷えるので念のためチョークを引いて始動した。回転数が安定したところで半分までチョークを戻してゆっくりとミジェットを動かした。精算機のゲートを出たところの路上で暖気アイドリングをしながら濡れてしまった上着を脱ぎ車幅灯を点けワイパーのスイッチを動かした。この時、どうもワイパーの動きがおかしかった。ふとインパネを見ると赤いチャージランプが煌々と点きっぱなしになっていた。チョークを戻し何度かアクセルを煽ってやっても消えない。舌打ちしながらボンネットを開け、ハンディライトで照らしながらトラブルシューティング。ベルトは正常に動いている、オルタネータのコネクター類は抜けていない、配線の状態も正常のようだった。しかし電圧計は11V前後を指していて明らかに発電していない。一体どうしたもんか、ジャケットのフードから首に雨滴が垂れてきたのに苛立ち、オルタネータを2、3度小突いてみたけれど何も変わらなかった。車内に戻り首元をタオルで拭きながら考えた。おそらく新車時から一度も変えていない40年前のオルタネータがいよいよ寿命なのは仕方ないとして、ここは葛飾、自宅まで30キロある。果たしてノーチャージで帰れるだろうか。運の悪いことに夜、雨、見知らぬ土地とバッテリーの三重苦を背負っている。

 

満バッテリーだけで2時間走れるらしいけれど今度実験してみたい、新品バッテリーじゃないし多分1時間は走れない。夜間の雨降りを走れば10キロが精一杯か、それ以上は賭けである。以前クーパーSのダイナモが昇天した時はライトを消して帰還したけれど、途中であえなく行き倒れとなった。多分10キロも走れていなかった。

 

 

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