Shovelog

Snow Lights Films

逢魔時

 

この写真を撮る時には金村修「ドイツ・フィンランド」が浮かんだ。あの整然とした街並みで金村さんらしさを出すのは苦労されたと思う。そこで黒を情報として前面に出している。あえて曇天や逢魔時を選んで撮影、元々光量が足りない上にさらに黒く焼かれているのでそれはもう気持ちいいくらいに黒い。金村さんの作品の中でも一味違った好きなシリーズである。

逢魔時に現れるとされる魑魅魍魎の魑魅は山の怪であり魍魎は川の怪だと言う。山の怪とは山の神と近いものかもしれない。土建業の仕来たりではトンネル掘削の前日、必ず逢魔時に山の神にお供えをする。お供えは山の神の好物とされる酒、米、するめである。これをお供えした後に絶対に振り返らないように立ち去るのである。山の神は醜いので絶対に見られたくないのである。このあたりが山の怪と通ずるような気がするのである。

今でこそ建設業に女性が活躍しているけれど、その昔、女人禁制だったという理由は、掘った山の「穴の中に入れる」のは男だけというのは山の神が女という事、実に俗っぽい話だけどわかりやすい。山を掘る仕事から離れて20年経つけれどボクは未だに山が怖いと思うことが多々ある。

 

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