Shovelog

Snow Lights Films

泡銭

 

 

 

深夜1時過ぎ、コーヒーが切れたのに気がついて駅前の24時間スーパーに買い出しに行った。タバコは切れてもゴールドブレンドだけは切らしてはならない。途中、いつも客引きで声を掛けてくるガールズバーの女の子たちも手ぶらのボクには知らん顔だった。そしてこの時間の駅前の24時間スーパーは異様な空気が流れていた。お客はどう見てもカタギじゃない人、妙にケバいお姉さん、訳あり風な中年カップル、挙動が不思議な中年男性、絶対に不釣り合いな若者アベック、そして髪の毛から靴まで全身ピンクのフリフリの女性はどう見てもボクと同じ歳くらいだった。レジ係の天辺が薄くなった男性はロボットのような動きで声を裏返しながら1,118円ですと叫んでいる。そんな社会から少しだけ逸れてしまったような人たちが集っていた。時間帯からして当然なのかもしれない。ボクはこの時間帯のスーパーが好きだった。なぜか独りじゃないと思えたりする。帰り道、ゴールドブレンドを抱えてガールズバーの前を横切ると女の子たちは話に夢中でやはりボクには無関心だった。

 

にほんブログ村 にほんブログ村へ