お昼どきの強烈な太陽が照りつける日陰のない道路を歩いていると突如煙がもうっと上がった。すぐに煙は薄くなったのだけれど今度はやけに艶のある青茶色の煙が勝手口から出続けていた。近づいてひょいと覗くとそこは鰻屋の勝手口だった。勝手口を開けっぱなしで換気をするという昔ながらの建物で、わりと庶民的なお店なようだった。
店の前でタレが焦げるいい匂いを嗅ぎながら東京なのに関西風の焼き方なのだろうかと疑問に思ったけれど、そういえばボクの地元はどうだったのだろうか、関東風と関西風は愛知県と静岡県の境が調理法の分かれ目らしいけれど、まさにそこが地元なボクは両方食っていたような気がする。最近はお店に行くなんて贅沢はできないので専ら知人のうなぎ養殖場から取り寄せて自己流で焼いて喰う。冷凍と侮る事なかれ、これが大変美味いのである。しかし今年はまだ取り寄せることなく8月に突入してしまった。