Shovelog

Snow Lights Films

中秋の名月とゴムとバネ

f:id:honday3:20210923065026j:plain帰路、浜松SA。ここからホロを立てる。

東名高速上り、御殿場からは下りが多いので調子に乗って真ん中車線から時々追い越し車線にもお邪魔する。よせばいいのにさらに踏み込んだ瞬間に足に伝わる謎の違和感、すると一気にエンジンが吹け上がりミジェットは暴走を始めた。勝手に車が加速し出す様は例えようのない恐怖である。それでも無理矢理例えるとすれば「2001年宇宙の旅」で暴走した人工知能HAL9000のようなものだろうか。あわててクラッチを切り、路肩に寄せるもエンジンは全開のまま。どうしたんだお前と、ボンネットを開けて見てみればアクセルワイヤーがグラグラになっていてスロットルは全開のまま。思い出すのも怖いくらいにエキマニが赤く焼けちゃっている中、手を突っ込みスロットルをアイドル状態に戻す。考えて見れば先にエンジン切ればよかったのにと思うけど、やっぱりボクもパニクっていたのであろう、あわや爆発寸前のところでミジェットの暴走を止める事がなんとかできた。
さて、故障自体は大したことはなさそうなのだが、高速道路上では作業もできないのでJAFにレッカーで下界までおろしてもらうことに。JAFを待つ1時間は路肩で中秋の名月を楽しんだが、楽しんだのは視覚だけであって、頭の中はどうしようかと脳味噌がフル回転している。

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自力でなんとかできそうですからと強がりを言って、JAFにはとりあえず海老名インターの先の広い場所でおろしてもらい原因究明開始。単純にもキャブ側のスロットルスプリングが切れてぶっ飛んでしまったようである。悪いことに開放されるとスロットルは全開方向に動くリンケージである。しばらくのあいだ全開運動を続けたエンジンは大丈夫だろうか。まあそれでも原因は簡単で良かったと胸をなでおろしたところで予備のスプリングなんて持っているはずもなく。とりあえず向かいのコンビニでカップヌードルを買って腹ごしらえをしながら作戦練り。今の手持ちの武器は針金と工具と予備のオイルだけ。バネ→伸び縮み→ゴムという安易な発想でダメ元でコンビニでヘアゴムの束を買ってスロットルリンケージを縛りまくる。

これが意外にいけるのである。なかなかのアクセルレスポンスじゃん。しかし残り60キロをゴムだけで走り切れる自信はまったくない。おそらくエキマニの熱で切れてしまうであろう。この時点で深夜0時、ホームセンターの開店まで10時間、いや、明日は絶対外せない仕事がある、なんとしても帰らねばと、GoogleMapを見ていると3キロ先にドンキホーテを発見!とりあえずドン・キホーテまで行けば何かあるかもと、祈るように発車させた。そして3キロ先までゴムだけでスロットルを動かしたというボクは伝説のオトコとなったのである。

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ドンキでは狙っていた自転車スタンド用のバネをゲット、おお!これで帰れる!このバネを発見した時の嬉しさは、先日失くしたカギを見つけた時に似ている幸せ感。これがまた加工を必要としない丁度いい長さだったというのもラッキーだった。すぐさまバネを取り付けて出発。

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アゴムに自転車スプリングを付けてもらい子供のオモチャのようになったミジェット は快調に246号を進む。しかし自転車のスタンドバネの固いこと、アクセルの重さはまるで大リーグ養成ギブス級で都内に入った頃には右足はパンパンである。しかしこの自転車バネのおかげで何とか無事に帰宅することができたのである。

教訓、
やはり高速道路で旧車は無理しちゃイケナイ、マイペースで左車線を走るべきである。

f:id:honday3:20210922225828j:plainスプリングが切れる直前のミジェット 。中井PA上り。

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