Shovelog

Snow Lights Films

人懐っこそうなおっさん

f:id:honday3:20210414192434j:plainShibuya Tokyo Hiroo / Plaubel Makina67

リンクは社会学者の岸政彦さんの小説「図書室」の表紙にもなっている写真。
http://sociologbook.net/wp-content/uploads/2018/08/63330010.jpg

岸さんを知ったのは結構前だったけど、昨年末にNHKの100分de名著、ブルデューディスタンクシオンの解説で出演されていて、その喋り口調にやたらと親近感が湧いちゃって彼の小説「図書室」を読んだ。小学生のオンナノコがウイルスによって世界の終わりを体験するというタイムリー?な、同世代ゆえにじんわりする話。まあ、ほんまずるいわな人懐っこい関西弁は。あ、もちろんディスタンクシオンも読みましたよ。
さてこの写真、「図書室」を読んだせいもあるかもしれないけれど、妙に味わい深い。まずキッチリ水平を取っていない咄嗟感。構図的にはこんなに空は入れたくないけれど実は雲の質感がよかったりする。嵐の後だろうか、いい白波の立ち具合と看板の波のリンクがいかにもあぶなそうだ。不穏でもなくピーカンじゃない空気がいいし、何よりカリカリの描写がいい。フィルムでこんだけのクオリティが出せるカメラってなんだろうなーと、ブログを拝見したら京セラのTproofだとな。なるほどTesserかーと納得。もし20年前にタイムスリップできたら真っ先に中古カメラ屋から救出したいのがTproofとμIIね。まあ写真は機材じゃないって散々言ってるけれどもー。こういう何気ない写真って撮れたとしてもセレクトが難しいんですよ。そしてこれを表紙に持ってきちゃう岸さんにまた親近感が湧く。

  

 

 

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