20数年ぶりに訪れた懐かしいその空間は、地下に下りていくと二十代の頃にフラッシュバックする。若い頃にタムロしていたそのラウンジは名前はそのままでジャズクラブに変わっていた。高級そうな石の貼られた壁やクラブのようなソファーはおそらく変わっていない。トリオが演奏できるほどのスペースは新しく作られたものだろうか。いつもは一番奥のスペースを陣取っていたけど、この日はカウンターに座り友人のライブを拝聴した。地上に出ると冷たい小雨が降っていた。傘を広げてふと前を見ると道路向かいにカレーハウスがある。そうだ、このカレーハウスはランチで何度も足を運んだお店だ。地元ジャズ界では名前の通った方が経営するお店で、インドネシア系のカレーはスパイシーでパンチがある。辛さも選べるが、辛いのが苦手なボクはいつもノーマルを食べていた。辛いのが苦手と言っても唐辛子の辛さは全然イケる。ガイコクの香辛料というかカレー的スパイスの辛いものが苦手なのだ。しかし友人は辛さを倍増したのが絶対旨いと言う。彼もやはりずっとノーマルを食べていたらしいが、先日辛さ10倍を食べて驚く旨さだったらしい。そんな話をしているとすっかりクチの中はカレーモードになり、翌日の昼飯はここで喰うことを決めた。
