Shovelog

Snow Lights Films

写真

解体と再生

ちょうど50年ぶりに同じ会場で同じ展示という近代美術館で展示された中平卓馬の展示を見る。中平さんと言えばプロヴォーク期のいわゆるエモイ・カッコイイ系の写真が人気だったりするけれど、ボクは1971年のパリ、ビエンナーレで撮り続けた写真が好きである…

支流末端部の一滴

近いのに訪れるのが随分遅くなってしまった松濤美術館。展示は前衛写真から今のスナップ写真につながるその変容と流れである。やはり最初はアッジェから。ボクの写真もこの流れの支流末端に位置すると考えているので見ないわけにはいかない。実は昨年この図…

激写456

決闘写真論 (朝日文庫) 作者:紀信, 篠山,卓馬, 中平 朝日新聞社 Amazon

D76は存在意義が失われたのか

何年か前にこのサイトで書かれていた「D76は存在意義の失われた現像液だ」という写真家の方のコラムについて、まあ確かに理解はできるけれど、当時からその意見はすべて飲み込めないと思った。アンセルアダムスの写真は美しいとは思うけれど銀塩モノクロ写真…

Easy Ways

ほぼ毎日通る商店街だけれど思い出せない。お店は勿論、建物もどんどん入れ替わる。ほんの二年前は、以前そこは何屋さんだったかすら思い出せない。朝日を浴びながらそこに立ち止まって目を瞑ってみたけれど出てこない。老化なのか都市の変貌速度が速すぎる…

都市の正体

例えばこういう写真。先週出した写真だけれど、何を撮ったのかわからないし電柱が真ん中で画面を割っているし空が広く入りすぎで傾いているし写真としては全くダメで何より意味がわからない。しかしこれが都市の正体なのです。誰もが必ず目にする風景なので…

東京絶景446

写真は時間が経てば経つほど撮った瞬間と違う意味を帯びてくる。何気なく撮ったスナップが都市の歴史を読み取る記録となったりする。しかしこの方は地元の写真家なので当初から都市の記録目的であろうという写真が多い。スナップが都市の記録になるのか、記…

撮り方は進化しない

撮れたかなっていう写真は100コマに1枚あるかないか、3ロールに1コマあればいい方か。10年以上まったく進歩してないけれど、セレクトする眼はわずかに進化していると思う。

観光と感光

光を観るより感じること、観光より感光の方が写真に近いのだろうか。ふと、どうでもいい事を考えたりする。

ダブルXの現像時間

冷蔵庫に常時300本以上確保していたT-MAXはここ2年買い足されることなくとうとう残り20本となってしまった。現像液も国内には代替えがないからこれが最後のT-MAXになるだろうか。D76は自家調合できるけれどT-MAX現像液はどうにもならない。あれほど使ってい…

風景論以前

長く風景を撮ってきた。風景は写真よりもずっと考えてきたことかもしれない。それは人間の視覚が介在することによってはじめて風景となることは理解している。存在する風景自体がエモーショナルを内包しているわけではなく、それは人間の知覚によるものであ…

風景東京475

覚書き。 yhonda.hatenablog.com

東京鴉

ギャラリー・ニエプスへ桑原甲子雄さんの昭和6×6展へ。2014年の世田谷美術館の展示以来だろうか、桑原さんの中判のこれら写真は初見。特にタイトルとなったフライヤーの写真は強烈でプリントも大変良かった。大四ツなのに大迫力である。中藤さんがプリントし…

写真的風景

写真に撮りたくなる風景は考える前に撮るようにしている。しかし全く考えないのは無理であり、撮りたくなるからには脳に何らかの反応があったという場所でシャッターを押している。しかしその何らかの反応というのは好みの景色ということであり、何が好みな…

絶景東京445

東京写真美術館で先週からはじまった本橋成一とドアノー展へ。難しい事はわからないけれど写真を鑑賞することはできる。炭鉱からはじまる二方の仕事の共通点を認識しつつ、決してメジャーではないマイナーな場所からのルポタージュは気当たりすることなく実…

君はフィルムを巻いてるか?

映画用のモノクロフィルム、ダブルXをおかわりした。400ftを巻くのは面倒だけれど、36枚撮り1本2900円のトライXをとても買う気にはなれない。毎回このロールが終わったらもうやめようと思いつつ、それでも装填が完了したたくさんのパトローネを見ると妙に気…

説明できない写真

飯を食おうと近所にある沖縄居酒屋に入った。注文を済ませたあと店内をひと回り見渡すと目の前の柱に切れ込みがあり、今にも折れそうに見えたので何となくアイフォンで写真を撮った。確固たる目的意識を以て撮るのではなく何となく撮るというのはボクの写真…

絶景東京431

年齢を重ねると焦点距離が長くなる、というのは渡部さんはじめ多くの写真家がよく口にしていた。28歳=28ミリ、50歳=50ミリ、年齢が焦点距離とは言い得て妙である。いつの間にかボクも広角の暴力的なスナップをすっかり好まなくなった。撮るのも見るのも。…

絶景東京419

GW明けからずっと週末は仕事だったので未現像フィルムが溜まってしまっていた。今週末も仕事が入っているので慣れない早起きをして現像をする。フィルムを風呂場に吊るしたまではよかったけれど、寝癖を直す朝シャワーが浴びれなくなることに気がついて狼狽…

落とし所

自分が理解できない写真はつまらないと言う人と、自分で理解できない写真の方が面白いと言う人が延々と着地点のない話をする。どちらも正しいかもしれないし、どちらも正しくないかもしれない。

面倒臭い写真

現代写真が大嫌いだという写真家と一緒に飯を喰っていた。彼とは十数年の付き合いであり時々仕事を頼む仲である。彼の写真の撮り方は教科書のように論理的であり、直感的な写真を好むボクとは正反対である。写真の話になると彼は現代写真を否定し、何故そう…

なぜ黒白写真を撮るのか

PENTAX K-3のモノクローム専用機が出たらしい。ライカもそうだけれどデジタルでモノクロ機ってちょっと意味がわからない。なぜわざわざ色情報を捨ててしまうのか、「写真」は絶対カラーの方がいいに決まってるじゃんっていう単純な素人考えである。今の時代…

選んでると眠くなる

ステージのスチル撮影はスクワット数百回に匹敵する。撮影にはサポーターレギンスがいいぞ、と大先輩のミウラさんに教えてもらって僕もとうとう履くようになお年頃になった。三浦さんはとにかく撮りまくる。どこかの雑誌インタビューで「撮った写真を選んで…

桜色と黄色

雨のせいで結局今年は桜見物をしなかった。コロナ前は毎年、桜を見るために大岡川沿いを歩いた。日の出町から出発して弘明寺で折り返す往復8キロを歩く。道中、川沿いに黄色のミジェット1500が置いてあるお宅がある。ハードトップが被せてありバンパーレスで…

今時間は0.1秒

撮った瞬間に過去になった風景を考えてみる。

backroad moment

昨日、一昨日の写真は反転している。いつもはデジベタを取り込みながら反転させていくのだけれど反転忘れだったものをあえてそのままにしてみた。反転は見慣れた景色のはずが全く違う景色に、新鮮に見えるから不思議である。人間の顔も左右でわずかに違う。…

高解像度よさようなら

澤田育久「Reduction / Outline / Interpretation, Dec.2022 The White」 高解像度デジタル時代へのアンチテーゼ、ジャギーさえもアートに昇華させてしまうという試み。トーマスルフはJpegをそのまま巨大化することで表現してきたけれど澤田はより低解像度へ…

とくべつな写真

誰にでも行ける場所で誰にでも撮れるものを撮るのが面白いと思ふ。

リンコの声

ボクには絶対に撮れない写真シリーズとして高橋恭司の次は川内倫子「M/E」を観に行った。勿論高橋恭司のようなあの世感は感じない。会場は圧倒的に女性が多く、ちょっと苦手としていたふわキラのイメージが離れなかったリンコさんだけれど、デジタルになった…

写真みたいな風景

視覚の信号は脳内で心地良い風にトリミングされ、いつの間にか自己形成された写真的知覚で風景を見ている。

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